自転車社会学会2008/3/9更新
自転車の安全利用のための通行方法等について
教則による指導事項

道路交通法(平成20年6月までに施行予定の改正道路交通法を含む)に規定のない指導事項は以下のとおりです。

自転車利用者に対して

○自転車に乗車するときは、安全のためできるだけヘルメットを着用するようにすべきこと
○雨の日に自転車に乗るときは、傘を使用せず、雨合羽等を着用すべきこと
○ズボンの裾や荷台のひもがチェーンやスポークに巻き込まれることなどがないよう服装等に留意すべきこと
○自動車等の運転者や歩行者等から見やすいように、できるだけ明るい目立つ色の衣服を着用すべきこと
○幼児を乗降させる場合は十分注意し、幼児を乗せたまま短時間でも自転車から手を離すことのないようにすべきこと
○傘を自転車に固定して運転することも危険であること
○反射器材については、後部反射材及び側面反射材の両方であること
○自転車は、努めてTSマーク,JISマークやBAAマーク(注)等の付いたものを使いましょう。
○警察官等から指示があった場合のほか、歩行者の通行を妨げ、又は歩行者の安全を損なうおそれがあるときは、歩道では自転車を押して歩くこと
○歩道から車道、車道から歩道への乗り入れは、車道又は歩道の状況について安全を確かめた上で行うべきであり、特に、頻繁な乗り入れの連続や交差点付近での歩道から車道への乗り入れは危険であること
○自動車の運転者が自転車の存在を認識しているか確認し、できるだけ運転者とアイ・コンタクトをとるようにして通行すべきこと
○携帯電話の通話や操作、傘さし、物を担ぐなどによる片手での不安定な運転や、ヘッドフォンの使用等外部の音が十分聞こえないような状態での運転など、運転中に周囲の交通状況への注意がおろそかになるような行為をしてはならないこと
○自転車に荷物を積むときは、視野を妨げるなど運転の妨げになったり、自転車の安定が悪くなるような乗せ方をしてはならないこと
○警音器(べル)は、見通しのきかない交差点などを通行するとき、危険を防止するためやむを得ないときにのみ使用し、歩道等でみだりに警音器(べル)を鳴らしてはならないこと
○自転車は急制動をかけると転倒しやすく、車道でも速度を出し過ぎると周囲の状況の確認や自転車の制御が困難となるので、天候や時間帯、交通の状況等に応じた安全な速度で走行すべきこと
○駐車車両の側方を通過する場合などで進路変更をするときは、後方の安全を確かめるべきこと
○旅客の乗降のため停車中のバス等に近づいたときは、道路の左側端に停止して待つようにすべきこと
○車道では、接近してくる自動車を意識し、できるだけ運転者の死角にならないよう走行すべきこと
○歩道で自転車同士が行き違うときは、速度を落としつつ安全な間隔を保ち、歩行者に十分注意して、対向する自転車を右に見ながらよけるようにすべきこと

歩行者に対して

○自転車道や自転車横断帯には、立ち入らないようにすべきこと
○自転車道を横断する場合等には、自転車が近づいていないかどうか確認すべきこと
○自転車歩道通行可とされている歩道等では、自転車が車道寄りを通行すること及び前後両方向から通行してくることを認識すること

自動車の運転者に対して

○自転車は車両の一種であり、原則として車道を通行することとされているので、車道を通行する自転車に十分注意すべきこと及び自転車は不安定であり、身体を防護する機能がないなどの特徴があるので、自転車の安全に十分配慮すべきこと
○ドアを開けるときは、側方を通過する自転車がないか、後方の安全を確認すべきこと
○自転車を追い越し、その他自転車のそばを通るときは、自転車のふらつき等を予想し、自転車との間に安全な間隔をあけるか、徐行しなければならないこと
○道路に面した場所に出入りするなどのため歩道や自転車道を横断しようとするときは、一時停止し、近くに歩行者や自転車がないか安全を確認すべきこと
○交差点では、交差道路を通行する自転車との衝突や左折時の自転車の巻き込み等に十分注意すべきこと
○交差点等では、自転車の運転者とできるだけアイ・コンタクトをとるようにして通行すべきこと
○交通整理の行われていない交差点では、特に、一方通行の逆方向から進入してくる自転車を見落としやすいので注意すべきこと
○交通整理の行われている交差点であっても、特に、歩道から進入してくる自転車を見落としやすいので注意すべきこと

です。概ね妥当ではないでしょうか?。
「○歩道で自転車同士が行き違うときは、速度を落としつつ安全な間隔を保ち、歩行者に十分注意して、対向する自転車を右に見ながらよけるようにすべきこと」
は,違和感があったのですが,報告書でも
「自転車の歩道での対面通行やこれを前提としたルールについては、自転車の車両としての意識の希薄化を助長するのではないかとの指摘もあるところであり、歩道における徐行や車道における左側通行といった原則的なルールについて周知し指導を徹底することについては、関係当局の一層の努力が望まれる。」
とされており,マッタク認識もなく定めたわけではないようです。

自転車3人乗り?

話題の
「○幼児用座席に幼児を乗せる場合は一人までであること」
は現行法令(具体的には都道府県条例)内なのですが,普通自転車が歩道を通行できる場合は・・・・

(改正道路交通法第63条の4第1項第2号)「当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき」
歩道を通行することができる児童・幼児以外の運転者について、警察庁が従来説明している「高齢者」のほか、幼児を同乗させている運転者、児童・幼児が運転する自転車と同行している自転車の運転者についても配慮が必要との意見があった。第2号の規定が運転者の属性に着目して車道通行が危険と認められる場合に歩道を通行できることとした趣旨等から考えると、規定の適用対象を拡大することは困難と考えられるが、これらの運転者に対する適切な通行方法の指導や自転車の通行環境の整備等を行い、その安全な通行を確保する努力が必要と認められる。
(改正道路交通法第63条の4第1項第3号)「車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき」
第3号に関しては、どのような場合がこれに該当するか、具体的に示すべきであるが、同規定は、第1号や第2号に該当する場合のほか、自転車運転者が危険を回避し安全を確保するため緊急避難的に歩道を通行することができることとする趣旨と考えられることから、
・道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側を通行することが困難な場所を通行する場合
・著しく自動車等の交通量が多く車道の幅員が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車等との接触の危険がある場合
を例示することが適当と考えられる。

となっていて・・・・,お子さんを乗せているお母さん(幼児を同乗させている運転者)は車道通行なのですね。さて?どうしたもんなのでしょう。

現行法令への?も

現行法令への疑問点も記載されていて・・・・ちゃんと考えて書かれた報告書のようです。

(右左折時等の合図)
道路交通法等により、右左折や停止等を行う場合には所定の時期、方法等で合図を行わなければならないことを受けたものであるが、自転車運転中のこれらの合図については、合図を行うこと自体の必要性は認められるものの、現行法令が定める時期、方法等に従って手信号による合図を行うことは困難との指摘が強く、現実にも合図自体が行われていない場合が多い。
このため、自転車の運転について実施すべき合図の在り方について検討したが、運転者が安全に実施することができ、かつ、周囲の車両等からの視認性が高い合図とはどのようなものか(合図の始期・終期、方法、継続性の程度等)について直ちに結論を得ることはできなかった。また、合図のために片手運転となることを回避するためには自転車に方向指示器が装備されていることが望ましいと考えられるが、その普及の可能性については現段階では判然としない。
そこで、当面、現行教則により、合図を行うことの必要性及び可能な限りの合図の励行について自転車運転者等に周知を図りつつ、望ましい合図の在り方については、方向指示器等に関する関係業界との協議を含め、警察庁において引き続き調査研究し、結論を得るよう促すことが適当と判断された。
(自転車横断帯による交差点の通行)
・歩行者との分離を図るため、このような横断歩道への自転車横断帯の併設を拡充することも考えられるが、自転車横断帯を設けることにより、車道を通行している自転車も自転車横断帯を通行しなければならなくなる(同法第63条の7第1項)ことにも配意が必要である。
・自転車横断帯が設けられていない場所において、歩道を通行してきた自転車がが従うべき信号は歩行者用信号機とすると、車道を通行してきた自転車も規制することになり、必ずしも適当でないと考えられる。

徐行は7.5km/h,歩道での安全な速度は15km/h?
徐行とは時速7.5km,歩道の状況に応じた安全な速度とは時速12.5km〜15kmだそうです。まあ,そんなものかナア。

・「徐行」については「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」(同法第2条第1項第20号)とされ、「徐行」については、歩道では歩行者との混合交通となることを考慮すれば、速度の出し過ぎにより歩行者に危険を及ぼすことがないとともに、自転車のふらつきによる危険を生じさせないような速度である必要があり、その意味で「徐行」の速度の目安は「ふらつかない程度に走行できる最も遅い速度」とすることが適当と考えられる。このような速度については、運転者の身体能力等に個人差があるほか、自転車の制動時間・距離は荷重、路面状態等によっても異なるので、一概には言えないが、自動車安全運転センターの調査研究における実験結果(別添資料7)では安定的に走行できる最も遅い速度の平均速度は時速約7.5キロであり、これは概ね「大人の早足程度」の速度と考えられる。
・「歩道の状況に応じた安全な速度」は、「直ちに徐行に移ることのできる速度」と解されているが、一概には、言えないが、概ね「大人のランニング程度」の速度と考えられる(注2:時速約10.7~14.0キロ,時速約12.5キロ,時速約15キロ)

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