自転車社会学会

6つの議論の方向の私的解説

1.「量的拡大」重視から、既存のストックの改善と活用を最大限に考慮した「峻別した新規投資と既存施設の有効活用」へ

(解説)税収の減少,国債発行の制限から予算も限られてくる。道路予算も例外ではない。国民の役に立つ道路を,コストパフォーマンスのいい道路を作っていかなければならない。

2.市街地において「車中心」の施策から、自動車利用抑制、生活道路の復権、沿道環境・地球環境の改善も考慮した「歩行者・自転車など生活者重視」の施策へ

(解説)なぜ「歩行者・自転車など生活者重視」なのか不思議に思うかもしれません。行政として地球環境(京都議定書)へ対応しないわけにはいきません。炭酸ガス抑制の定量的な効果は不明ですが姿勢を示すことは必要だと考えています。また,交通事故抑制にも寄与すると考えています。

3.「道路単独主義」から、鉄道等他の公共交通機関との適切な役割分担を考慮した「インターモーダルな総合的交通システム」の構築へ

(解説)道路の量的拡大ができなくなった今,道路の質的向上を図るためのひとつの選択肢です。クルマ社会の非効率性(渋滞)を解消するために他の公共交通機関との連携が不可欠と考えています。「インターモーダル」という言葉は徹底した情報公開,国民的な議論の観点からはわかりやすい用語とはいえませんので,今後より適切な表現を検討したいと思います。

4.「全国一律の"均衡ある発展"」から「地域ブロックを主体とした個性ある地域づくり」の支援へ

(解説)現在の行政として地方分権を無視するわけにはいきません。国土交通省(道路局)としても地域づくりの「支援」をしていきたいと思っています。現在の縦割り行政(予算は国(各省庁)が握っている)の枠内では各地域ブロック間の道路開発の調整は国土交通省が行う必要があります。今後,地方分権が進み,予算も地方が決める(道路に回すのか,福祉に回すのか,借金を返すのか)ようになるまで国土交通省道路局の役割は変わりません。

5.「事業量確保のための事前評価システム」から「成果を重視する評価システム」へ

(解説)これは1.の効果的な予算配分のためのひとつの方法です。従来の机上の計画に基づく予算配分から,事業の効果(成果)を評価してより効果(成果)のあがる事業に予算を集中させる必要があります。行政も民間の事業評価の仕組みを勉強していく必要があると考えています。どの事業に予算をつけるかは従来以上に激しい競争になることでしょう。その中で透明性,説明性のある予算決定プロセスを構築していく必要があると考えています。

6.環境改善、物流効率化、モビリティの向上等の観点に立って、料金を変えるなどの「弾力的な料金政策の導入」へ

(解説)わかりにくい表現かもしれませんが,高速道路(他の有料道路を含む)の料金を交通量制御の手段に使おうという考え方です。交通量が多く路線周辺の公害が問題になれば,料金を上げて交通量を抑制することができます。渋滞がひどい路線も料金を上げて交通量の抑制が可能です。渋滞がひどければひどいほど料金が高くなるということに利用者の理解をどのように得ていくのかを検討する必要があると考ええています。


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