自転車社会学会2008/2/14作成

自転車の安全利用推進総合プラン(東京都)

平成19年1月
東京都青少年・治安対策本部
自転車の安全利用推進総合プラン

第1章策定の趣旨と自転車の現状

第1章策定の趣旨と自転車の現状

1.策定の背景・目的

自転車は、子どもから高齢者まで幅広く利用できる手軽な乗り物であり、都内には、推計で約840万台もの自転車が保有されている。これは都民の1.5人に1人は自転車を持っていることに相当し、自転車は都民生活になくてはならない主要な交通手段であると同時に、身近な交通手段と言うことができる。

また、自転車は環境負荷の低減や交通渋滞の緩和など、交通面からその効果が期待されるとともに、健康増進の観点からも有効であり、利用にかかわるルール・マナーの周知徹底などを図り、安全な走行を確保した上で、その利用を促進すべき交通手段でもある。

しかしながら、その一方で、自転車に関連した交通事故、運転マナーの低下、放置自転車など、自転車利用の手軽さの裏返しとも言える様々な課題がクローずアップされてきている。ここ数年、全交通事故に占める自転車事故の割合は増加しており、また、歩行者からは乱暴な運転の自転車に対する苦情も少なからず寄せられている。さらに、都内の区市町では毎年、自転車駐車場の整備や放置自転車の撤去・処分などに約150億円もの費用を投ジているが、未だに11万台以上の放置自転車が存在しており、利用者のマナー向上も含めた総合的な自転車対策が求められている。

このようなことから、東京都は、自転車に関連する諸課題に的確に対応し、安全で快適な自転車利用を促進するために、自転車問題について総合的に検討することとし、学識経験者、都民、関係行政機関からなる東京都自転車総合対策検討会を設置した。検討会では、様々な観点から活発な議論を行い、「自転車の安全利用推進総合プラン」としてとりまとめた。

この「自転車の安全利用推進総合プラン」は、自転車問題の解決を図るための都としての基本的な考え方を示すとともに、都の関係部局や区市町村などが自転車に関する施策を立案・計画するときのガイドとなるよう、各種の対策を幅広く整理している。したがって、報告のとりまとめに当たっては、実施主体にはあまりこだわらずに、何をすべきかを中心に議論・検討し、実現には課題が残されており長期間を要すると考えられる対策についてもあわせて提案しているところである。

今後は、「自転車の安全利用推進総合プラン」をもとに、それぞれの地域の実情に合わせた自転車対策を、都民・事業者・行政が連携・協力しながら実施することにより、安全で快適な自転車利用の実現を目指していく。

2.自転車利用の現状

2.1自転車保有台数

都内の自転車保有台数は年々増加傾向にあり、平成17年には約836万台となっており(自動車の保有台数は約545万台)、自転車は徒歩や自動車と並ぶ主要な交通手段となっている。

また、都内の自転車保有台数は全国(平成17年:約6,888万台)の約1/8を占めている。

図1自転車保有台数
○都内の自転車保有台数は平成17年で約836万台であり、自転車は徒歩や自動車と並ぶ主要な交通手段となっている。
○都内の自転車保有台数は増加傾向にあり、全国(約6,888万台)の約1/8を占めている。
○東京23区における通勤通学時の自転車分担率は増加傾向にあるものの、公共交通機関が発達していることなどから、他の大都市よりは低い状況にある。
○自転車は「買物」、「通勤」、「レジャー・健康増進」、「業務」、「通学」など幅広い目的で利用されている。
資料:自転車保有台数は、自転車の国内市場動向調査((社)日本自転車協会)より抜すい
自動車保有台数は、国土交通省関東運輸局東京運輸支局調べによる

2.2交通機関分担率

通勤・通学時の交通機関分担率について国勢調査の結果より集計すると、東京23区の自転車利用は増加傾向にあるものの、依然として他の大都市よりも低い状況にある。

その理由としては、東京23区は公共交通機関が発達しているために、鉄道の分担率が最も高いこと、さらに、幹線道路における路上駐車等自転車走行に対する環境が良くないことも考えられる。

資料:平成12年国勢調査
資料:平成2年・平成12年国勢調査
図2都市別の交通機関分担率東京23区の交通機関分担率(国勢調査)

また、東京都内の移動(全目的)に関する交通機関分担率を直近の第4回東京都市圏パーソントリップ調査※(平成10年度)の結果より集計すると、自転車の分担率は東京23区内で18.5%、東京都内で18.1%となっており、鉄道・地下鉄、徒歩に次グ、主要な交通手段となっている。

※パーソントリップ調査とは、一定の調査対象地域内において「人の動き」(パーソントリップ)を調べる調査である。すなわち、交通の根源は「人の動き」にある点に着目し、交通の起点およビ終点、交通目的、利用交通手段などを「人の動き」を通して明らかにするもので、交通に関する実態調査としては最も基本的な調査の一つである。なお、下図で「東京都内々」、「東京23区内々」とは、交通の起点及び終点がそれぞれ都内、23区内にあるトリップのことである。

資料:第4回東京都市圏パーソントリップ調査のデータをもとに算出
図3東京都内の交通機関分担率

2.3自転車の利用頻度

東京都が行った平成18年度第2回都政モニターアンケート調査によると、「週に4日以上」が約36%で最も多いが、ほとんど利用しない人も約33%である。

資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査
図4自転車の利用頻度
※都政モニターは、インターネットが使える20歳以上の都内在住者を対象に、性別、年代、地域等を考慮して毎年公募により500人を選定

2.4自転車の利用目的

(財)全日本交通安全協会が行ったアンケート調査(平成17年8~9月実施)によれバ、自転車を利用する目的としては、全国的にみると「買い物」が最も多いが、「通勤」、「レジャー・健康増進」、「業務」、「通学」など幅広い目的で利用されていることがわかる。

また、東京都が行った平成18年度第2回都政モニターアンケート調査によると、「買い物など近所への用事」が約64%で最も多い。

さらに、第4回東京都市圏パーソントリップ調査(平成10年10~12月実施)の結果によれば、東京都における自転車の利用目的として、「自転車のみ」の利用の場合は「私事(買い物、送迎など)」が約64%で最も多く、「自転車と他の交通手段(自転車とあわせて鉄道やバスなどを利用する場合)」の利用の場合は「通勤」が約50%で最も多い。

資料:(財)全日本交通安全協会アンケート調査資料:第4回東京都市圏パーソントリップ調査
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査
図5自転車を利用する目的

3.自転車事故の発生状況

都内における自転車の交通事故は毎年3万件近く発生しており、平成17年には27,759件であった。また、全交通事故に対する自転車事故の割合は増加傾向にある。

資料:警視庁データをもとに作成
図6東京都における自転車の交通事故発生件数の推移
○全交通事故に占める自転車事故の割合は増加している。
自転車事故発生件数(件)全交通事故のうち自転車事故の割合
○自転車利用者のマナーの改善に向けて、国では第8次交通安全基本計画において、自転車の安全利用の推進や自転車利用者に対する指導取締りの推進を位置付けている。
○平成17年4月及び平成18年11月の道路法施行令の改正により、道路上に自転車駐車場の設置できることとなった。
○消費生活用製品安全法の改正に伴い、自転車も含め、重大な製品事故の情報に関する報告義務等が製造・輸入業者、販売業者等に課される。

4.自転車を取り巻く環境の変化

4.1自転車の安全利用の促進と指導取締りの強化

道路交通法における自転車は車両として位置付けられており、車道走行が基本となるが、幅員の広い歩道では自転車通行が可能な場所も存在する。しかしながら、自転車利用者にそういった認識は低く、車道も歩道も関係なく走行することが多い。

自転車の歩道走行は、ルールを守り、マナーを良くしないと、重大な事故につながることが懸念され、実際に自転車対人の事故件数は都内で年間1,000件近く発生している。

こういった事故の原因としては、信号無視や一時不停止などはもちろん、交通ルールを軽視した自転車の暴走運転や片手運転、二人乗り、携帯電話の使用などが考えられる。国では第8次交通安全基本計画(平成18年3月)において、自転車の安全利用の推進及び自転車利用者に対する指導取締りの推進を位置付けるとともに、平成18年4月には自転車利用者に対する交通指導取締りの強化の方針が警察庁から示されている。

また、警察庁は、自転車の道路交通に係る課題について具体的な解決策を検討するため、平成18年4月より有識者からなる自転車対策検討懇談会を設置し、平成18年11月に「自転車の安全利用の促進に関する提言」を発表した。

資料:警察庁データをもとに作成

4.2道路法施行令の改正による自転車駐車場整備の促進

駅周辺等における放置自転車対策を行うことが急務であるため、道路上に自転車駐車場を設置することができるよう、平成17年4月に道路法施行令が改正され、道路附属物として道路管理者が自転車駐車場を設置できることとなった。

さらに、平成18年11月の道路法施行令の改正で、自転車の駐車用器具が道路上の占用物件として位置づけられたことにより、道路管理者以外の者が道路上に自転車駐車場を設置できることとなり、自転車駐車場整備の一層の促進が図られている。

4.3消費生活用製品安全法の改正

がス瞬間湯沸器事故や家庭用シュレッだー事故等において、行政に事故情報が報告されていないことにより、行政による対応に遅れが生ジたこと等が経済産業省の製品安全対策に係る総点検委員会から指摘されたなどを踏まえ、事故報告を製造事業者等に義務づけるため、「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律」が平成18年12月に公布された。

この消費生活用製品安全法の改正に伴い、一般消費者が生活に使う製品全般(自動車、医薬品などを除く)を対象として、製造・輸入事業者に対する重大製品事故の主務大臣への報告義務、小売事業者等に対する製造・輸入事業者への事故情報通知の努力義務などが定められ、事故情報の充実が図られている。

第2章自転車の問題点

1.3対歩行者、対自転車の事故発生件数と子どもの事故発生状況

図12東京都における対歩行者、対自転車の交通事故件数
図13子どもの交通事故の内訳(平成17年)
図14自転車乗用時の歩行者に対する接触・衝突経験(未遂含む)
図15歩道歩行時の自転車による接触・衝突経験(未遂含む)
○自転車の対歩行者の交通事故件数は年間1千件程度、対自転車は年間1千5百件程度発生している。
○子ども(中学生以下)の交通事故発生時の内訳をみると、小学生の交通事故の2/3、中学生の交通事故の9割近くが自転車に乗っている時に発生している。
○平成18年度第2回都政モニターアンケートでは、約半数の人が最近3年間で自転車乗用時に歩行者に接触や衝突した、あるいはしそうになった経験をしている。
○また、約2/3の人が最近3年間で歩道を歩行中に自転車に接触や衝突された、あるいはされそうになった経験をしている。
資料:警視庁データをもとに作成資料:警視庁データをもとに作成
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査

1.4自転車走行の問題点

図16自転車走行の問題点
図17自転車利用に関する行政の取り組みへの要望
資料:平成17年度第2回都政モニターアンケート
○自転車走行の問題点として、「歩道上の過剰なスピードでの走行」、「無灯火走行」、「駅前などの放置自転車」、「走行中の携帯電話使用」などが指摘されている。
○行政に対する要望としては、「自転車専用道路等の整備」や「歩道と車道の分離」など自転車走行環境の整備に関する要望が多い。
資料:平成17年度第2回都政モニターアンケート

2.放置自転車に関する現状

2.1駅周辺における自転車駐車状況

図18東京都における駅周辺の自転車駐車状況
資料:駅前放置自転車の現況と対策(平成17年度調査)
○東京都における駅周辺の自転車駐車場整備は着実に進んでおり、平成17年の自転車駐車可能台数(収容台数)は約75万台にまで達している。
○一方、駅周辺への自転車乗入台数は平成17年で約72万台であり、都内全体でみると、乗入台数を超える駐車場が供給されている状況である。
○しかしながら、平成17年において未だ11万台以上の放置自転車が存在しており、放置自転車の問題は深刻な状況にある。

2.2自転車駐車場の需給バランス

図19区市町別の自転車駐車場の需給バランス
資料:駅前放置自転車の現況と対策(平成17年度調査)
○都内の区市町毎に自転車駐車場の供給量(駐車可能台数)と需要量(乗入台数)のバランスをみると、都心区を中心に需要量が供給量を上回っている。
○その一方で、自転車駐車場の整備が進んで供給量が需要量を上回っているにもかかわらず、放置が発生しているところもある。

2.3駅からの距離別整備状況
図20駅からの距離別の駐車場整備状況(都計、区部、市町村部)

2.4放置自転車の撤去、返還、処分状況

図21東京都における放置自転車の撤去、返還、処分状況
図22東京都における自転車窃盗・自転車占脱の認知件数
資料:警視庁データをもとに作成資料:駅前放置自転車の現況と対策(平成17年度調査)
資料:駅前放置自転車の現況と対策(平成17年度調査)

○東京都の自転車駐車場の駅からの距離別の整備箇所数をみると、駅から100m以内に整備されている駐車場は半数程度であり、300mを越える場合も約1割ある。
○このように、駅の直近でない駐車場が多いことが、自転車を放置する要因のひとつになっていることが考えられる。
○また、区部と多摩部について比較すると、区部のほうが駅からの距離が短くなっている。
○東京都における放置自転車の撤去、返還、処分状況(平成17年度調査)についてみると、年間で約83万台の放置自転車が撤去されており、そのうち半数は返還されるものの、半数は引き取られず処分されている。
○撤去された放置自転車が引き取られない理由としては、自転車の価格に比べ撤去料が高いことや、自転車の窃盗・占脱が多く、盗難自転車が放置自転車となっていることなどが考えられる。

※窃盗:他人の財物を窃取すること
占脱(占有離脱物横領):遺失物、漂流物その他占有を離れた他人のものを横領すること
※「撤去」と「返還+処分」の台数は以下の理由で一致しない
1撤去・返還・処分にはタイムラグがある
2処分には撤去手続きをせずに処分したものが含まれる

3.走行空間に関する現状

3.1歩道、自転車道の整備状況

図23歩道の設置状況
表1諸外国との自転車道の整備状況比較
○自転車道の整備状況は欧米諸国と比較して低い。
○また、都道を例に取れバ、3m以上の歩道を有する道路は、東京都全域で約4割である。
出典:自転車利用促進のための環境整備に関する調査報告書国土交通省道路局(平成11年5月)
資料:建設局データをもとに作成
※歩道設置対象道路:東京都(知事)管理道路から、奥多摩周遊道路等歩道を設置する必要がない道路を除いた道路

3.2自転車通行区分の法的位置付け

東京都が行った平成18年度第2回都政モニターアンケート調査によると、車道と歩道の区別のある道路で主に走行する部分としては、「歩道」が約50%で最も多く、「車道」の約6%を大きく上回っている。

また、自転車は車道の左端を走行し、原則的には歩道走行は認められていないことについては、「知らなかった」が約46%と半数近くを占めている。

図24自転車乗用時に主に走行する部分図25車道の左端走行及び歩道走行の原則禁止について
自転車は車道の左端を走行し、原則的には歩道走行は認められていないことについて
知っていた53.7%知らなかった46.3%
自転車乗車時に主に走行する部分
車道6.3%歩道49.7%車道・歩道とも半々程度走行する44.0%
○歩道等と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。(道路交通法第17条第1項)
○自転車道が設けられている場合は、自転車道を通行しなければならない。(道路交通法第63条の3)
○道路標識等により通行することができることとされている歩道は通行できる。(道路交通法第63条の4第1項)
○歩道を通行する場合は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、また、歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。(道路交通法第63条の4第2項)
○自転車利用者は、自転車通行区分の法的位置付けの理解度が低いと考えられる。
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査

4.自転車の安全性に関する現状

4.1保有台数と生産台数

図26自転車保有台数の推移
図27自転車国内生産台数と輸入台数の推移
自転車国内生産台数と輸入台数の推移
○自転車保有台数は年々増加している。
○国内生産台数は90年代から減少傾向に転ジ、2005年にはピーク時の1/4まで減少している。
○輸入台数は近年急増しており、平成17年には900万台を超えている。
資料:(財)自転車産業振興協会データをもとに作成
※全国の自転車保有台数の推計値については(社)日本自転車協会(平成16年で6,795万台)の値もあるが、経年変化をみるため、図25では(財)自転車産業振興協会の値を採用した。
図28国別輸入台数の推移
資料:(財)自転車産業振興協会データをもとに作成
資料:(財)自転車産業振興協会データをもとに作成

4.2自転車安全基準

図29自転車安全基準の認知度
図30自転車購入時の安全マークの確認
図31安全マーク貼付台数(1年間)
○自転車の安全に係わる制度としては、製品の品質・機能に係わる「JISマーク制度」、「SGマーク制度」、「BAAマーク制度」、使用自転車の点検・整備に係わる「TSマーク制度」の4種類が設けられている。
○認知率は「JISマーク制度」が最も高い。「BAAマーク制度」、「TSマーク制度」については、7割以上の人がまったく知らないと回答している。
○平成18年度第2回都政モニターアンケートでは、自転車購入時に安全マークを確認する割合は、約32%と低い。
○いずれも任意の制度であるため、規格・基準に適合していない製品でも販売、使用上の規制はない。
○1年間に貼付した台数の比較では、最も多いBAAマークでさえ約228万台で流通台数の2割程度に止まっている。
資料:平成17年度自転車の消費者ニーず[調査結果報告書](財)自転車産業振興協会
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート調査(社)自転車協会、(財)製品安全協会、(財)日本交通管理技術協会調べ
※BAAマークは2004年9月から2005年8月、その他のマークは、2004年1月から2004年12月の貼付台数

【各マーク制度の概要】
2.SGマーク制度(SafetyGoods)
運営主体:財団法人製品安全協会
URL:http://www.sg-mark.org/
制度の概要自転車の基準等の概要
SGマーク制度とは、安全性の高い製品の提供を通じて消費者利益を保護することを目的として、構造・材質・使用方法等から見て生命又は身体に対して危害を与えるおそれのある消費生活用製品を対象として実施している民間の自主的な製品安全性確保制度である(2006年7月現在、自転車等130品目が対象)。
SGマークは、危害の発生を防止するために必要な事項について定めた認定基準に、一定の検査制度(ロット認定又は工場等登録・型式確認)により適合していることが確認された製品に表示されるものである。
また、SGマーク表示製品の人身事故に対する紛争解決・被害救済の機能を有しており、製品の欠陥による人身事故に対してはSGマーク被害者救済制度により円滑な賠償措置を実施している。
1JIS規格との整合性等を考慮している他、事故の未然・再発防止の観点から、以下の事項等について想定している。
・異物の挟み込みによる前輪ロック事故の防止のため、前車輪の両側面へのガードの取り付け
・製品特性等を理解していないことによる事故防止のため、「小径車の走行安定性」、「制動性能の高いブレーキによる前輪ロック」等にかかる適切な情報提供
2自転車の他、自転車用ヘルメット、自転車用幼児座席及び自転車用空気ポンプを対象としている。

1.JISマーク制度(JapanIndustrialStandard)
運営主体:経済産業省(基準原案作成:財団法人自転車産業振興協会)
URL:http://www.jisc.go.jp/
制度の概要自転車の基準等の概要
JISマーク制度は、工業標準化法に基づいて実施されている制度で、安全性を含めた品質等の内容を規定した日本工業規格(JIS規格)に適合する製品に特別の表示ができるという制度である。この制度の対象となる品目は、主務大臣が指定することとなっている(2004年3月末現在、経済産業大臣により532品目が指定されている。)。
JISマークは、国又は指定認定機関の審査によりJIS表示認定工場の認定を受けた上で、生産者の自己責任のもとで製品に表示するものである。
なお、2004年の工業標準化法改正により、2005年10月から新JISマーク制度が実施され、すべての製品に対してJISマーク表示が認められるとともに、認証制度も政府認証から第三者機関(登録機関)認証に変更されることとなった。
また、表示されるマークのデザインも変更された。1国際規格(ISO規格)との整合性を考慮しつつ制定されているが、安全性を高めるために必要な事項として、フレーム繰返し荷重試験、前照灯・フロントリフレクタの装着等について規定している。
2自転車(一般用自転車・幼児用自転車)に加えて、自転車の各部品、試験方法や組立作業方法について規格化されており、2006年8月現在、自転車関係では38規格が制定され、20品目がJISマークの表示品目として指定されている。

3.BAAマーク制度(BicycleAssociationApproved)
運営主体:社団法人自転車協会
URL:http://www.jitensha-kyokai.jp/
制度の概要自転車の基準等の概要
BAAマーク制度は、自転車の安全性向上と環境保全を目的として、平成16年9月から開始された。具体的には、社団法人自転車協会が定める業界の自主安全基準に適合している自転車にBAAマークを表示することで、消費者が安全性の高い自転車を選択できるようにしようとする制度である。
自転車にBAAマークを表示しようとする製造・輸入事業者には、生産物賠償責任保険(PL保険)への加入及び協会が定める適合認定機関(2団体)の検査を受けることが義務づけられている。
なお、BAAマークには、一台ごとに固有の番号がついており、番号から製造または輸入事業者が判るようになっている。
1JIS規格をべースとして粗悪自転車等による事故事例の調査結果やDIN(ドイツ規格)を参考に消費者の安全確保のための基準を定めている。
試験方法、ブレーキの制動距離などの点では、JIS規格を上回る基準が設定されている。

4.TSマーク制度(自転車安全整備制度)(TraficSafety)
運営主体:財団法人日本交通管理技術協会
URL:http://www.tmt.or.jp/
制度の概要自転車の基準等の概要
TSマーク制度は、財団法人日本交通管理技術協会が進める、新車及び使用中の自転車の安全確保を目的とした制度。
TSマークは、財団法人日本交通管理技術協会の登録を受けた「自転車安全整備店」で、自転車安全整備士(自転車安全整備技能検定に合格した者)が点検整備を行い、道路交通法に定める安全な普通自転車であることを確認し、安全指導を行ったうえで貼ることになっている。自転車の安全利用と事故防止を図るとともに、傷害保険及び賠償責任保険により被害者を救済しようとする制度である。
マークの有効期間は1年間。毎年1回点検整備を行うことで自転車の継続的な安全整備の確保を目指している。
1「普通自転車の点検整備基準」は、財団法人日本交通管理技術協会が警察庁の指導を受け、道路交通法に定められている普通自転車の大きさ、構造、性能等について定めている。
2自転車のTSマークには、次の種類がある。
・点検済み普通自転車用(賠償責任保険限度額等による区分)
第一種TSマーク(青マーク)
第二種TSマーク(赤マーク)
・型式認定を受けた電動アシスト自転車用駆動補助機付普通自転車用TSマーク(緑マーク)

4.3自転車の安全問題

表2JIS規格に基づく自転車試買テスト状況
表3年度別事故の上位10品目
表4年度別「製品に起因する事故」の上位5品目
○(財)自転車産業振興協会が実施した試買テストでの基準適合率は、2割程度である。
○独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の報告では、製品別の事故情報の収集件数において自転車は上位を占めることが多く、平成16年度にはワースト3位となっている。また、製品に起因する事故件数では、自転車は平成16年度にワースト2位になっている。
○消費者がいずれかの規格・基準に適合する製品を選択することにより、必要な基本的安全性が確保されることになると考えられる。
資料:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
※NITEでは、消費生活用製品等(家庭用電気製品、燃焼器具、乗物、レジャー用品、乳幼児用品等)が関係して発生した事故で、1人的被害が生ジた事故、2人的被害が発生する可能性の高い物損事故、3人的被害が発生する可能性の高い製品の不具合に関する情報を事故情報として収集しており、平成17年度には2,413件の事故情報が収集されている。
※NITEでは、収集した事故情報に対して調査を行い、その事故原因を「製品に起因する事故」、「製品に起因しない事故(誤使用や不注意による事故など)」、「事故原因が判明しないもの」に分類している。

第3章自転車対策の考え方

1.基本方針

1.1自転車利用について

自転車の利用を促進することは、環境負荷の軽減や交通渋滞の緩和など、交通面からその効果が期待されるとともに、健康増進の観点からも有効であり、改めてその身近で便利な短距離交通手段という特性を認識し、その利用を促進すべきである。

しかしながら、自転車の利用に関しては、交通ルールの遵守やマナーの向上、安全な走行環境の確保など、解決していかなければならない課題も多く残されている。

例えば、自転車は車道を通行することが原則とされているが、ドライバーやライダーの自転車に対する意識が必ずしも高くないこともあり、車道を自転車利用者が安心して通行できる環境が整っているとは言い難い状況にある。また、自転車が安心して通行できる自転車道ネットワークも形成されていない。

さらに、道路標識等により通行することができることとされている歩道については自転車は通行することができるが、その場合も自転車利用者に歩行者優先の認識が不足しているため、「自転車は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行する」などの交通法規が守られていないケースが多く見受けられる。その結果、歩行者からは自転車利用者に対してルール違反・マナー低下について多くの苦言が呈されており、歩道においても歩行者との共通利用が適切になされているとは言い難い状況にある。

自転車の利用を促進するためには、このような課題の解決を図り、安全な自転車利用環境を整えることが必須の条件となるが、そのためには、東京における自転車利用の位置づけを明確にした上で、対策を講ジることが大切である。

そこで、東京都では以下のことを前提に、自転車対策を推進する。

「自転車は、鉄道・自動車・徒歩などと並ぶ都市における主要な交通手段の一つであり、その利用を促進するための環境を整える」

1.2基本方針

自転車対策の実施に当たっては、以下の3つの考え方を基本として進めていく。

1交通安全を最重視する
2地域特性に応じた対策を実施する
3都民・事業者・行政が一体となって取り組む

(1)交通安全を最重視する

自転車利用の問題点のなかでも、交通安全の確保は最も重要かつ緊急の課題であることから、すべての対策において、これを最重視する。

(2)地域特性に応じた対策を実施する

自転車利用における問題点は、地域の特性により異なっており、同一の対策では十分な効果が得られない場合がある。

そのため、地域特性に応じた対策を区市町村自らが検討し、実施することを基本とする。

(3)都民・事業者・行政が一体となって取り組む

国・東京都・区市町村など関係行政機関の連携・協力はもちろん、自転車に対する意識の向上、自転車利用にかかわるルール・マナーの周知徹底や新たな教育プログラムの確立、安全な自転車の供給等、行政だけでは対応が難しい課題が多いことから、都民・事業者・行政が一体となった取り組みを進める。

2.具体的対策の視点

現在顕在化している様々な自転車問題に対応するため、具体的な対策の視点として以下の4つを設定する。

1交通ルールの遵守・マナーの向上
2放置自転車の改善
3走行空間の安全性の向上
4自転車の安全性の向上

2.1交通ルールの遵守・マナー向上の視点

○自転車利用者の義務を明確にした上で、交通ルールの遵守・マナーの向上に関する広報・教育の充実
○自転車の交通ルールを遵守させる制度の創設

2.2放置自転車改善の視点

○ハード・ソフト一体となった放置自転車対策の推進
○駐輪場が不足している駅周辺、自転車利用が多い商業エリア等、地域特性に応じた対策の実施

2.3安全な走行空間確保の視点

○自転車利用を促進するため、自転車が安全に走行できる空間を創出
○駅周辺や身近な生活空間、業務集積地区等、地域特性に応じた対策の実施

2.4自転車の安全性向上の視点

○より安全な自転車を普及させるための対策の検討

第4章具体的な対策

1.交通ルールの遵守・マナー向上の視点

1.1広報・教育の徹底

(1)対策の考え方

自転車の交通事故については、運転者の交通ルール違反に起因しているケースが多い。さらに、都政モニターアンケートでは、自転車走行の問題点として「歩道上の過剰なスピードでの走行」や「走行中の携帯電話使用」などマナーの悪さが挙げられており、自転車利用に関わるルール・マナーの周知徹底を図る必要がある。また、ヘルメットや反射材の着用を広く利用者全般に促進することにより、事故防止と合わせ、事故時の被害軽減を図ることも重要である。

このため、現在実施している交通安全教室等の講習の拡充に加えて、行政や都民の協働による学習・教育プログラムの開発や走行ルールのわかりやすい表示・広報を推進し、自転車の走行や駐輪に関わる基本的なルールの普及・啓発を図ることが必要である。また、これらの施策を効果的に推進するためには、現在、先進的な区市町村で制定している自転車安全条例などにより、地域の実情に応じた取り組みを総合的・計画的に実施することも有効であると考える。

さらに、マナーを向上させるためには、自転車に対する意識を高めることが重要であると考えられることから、自転車に関わる情報を手軽に入手したり、学習したりできるような機会や場所を提供することが求められる。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1情報連絡の場の活用[東京都、区市町村]
自転車問題に関する情報連絡の場を新たに設置、あるいは既存の場を活用し、各区市町村で行っている効果のある施策について情報を共有化することなどにより、施策の広がりを図る。

2事故防止キャンペーンや交通安全教育、自転車教室等の実施[警視庁、区市町村]
各区市町村などで行われている講習会(事故防止キャンペーンや交通安全教育、自転車教室等)については、広報をさらに推進した上で継続的に実施し、普及を図る。

○自転車利用者の義務を明確にした上で、利用者の交通ルールの遵守・マナーの向上に関する広報・教育の充実を図る
⇒1.1広報・教育の徹底

○自転車の交通ルールを遵守させる制度の創設について検討する
⇒1.2自転車の交通ルールを遵守させる制度の創設
⇒1.3「ママチャリ」の安全ルールの策定

3学校における交通安全教育の推進[東京都、区市町村]
学校においては特別活動を中心に、学校教育活動全体を通じて、計画的に実施する。
指導内容は「自転車の安全な利用」、「交通ルールの意味及び必要性」、「他の人々の安全に配慮するなどの交通マナー」に加えて、「自転車事故の怖さ」、「自転車利用者としての責任」などについて重点的に行う。
指導にあたっては、交通法規等に関するクイズ形式の指導や視聴覚教材を活用した自転車事故とその責任に関する指導、校庭等における自転車走行訓練など、参加型・体験型の指導方法を工夫する。
年間を通じた指導を意図的・計画的に実施するため、安全教育プログラム開発委員会を設置し、各学校における年間指導計画モでル案や参加・体験型の交通安全教室における指導方法について、推進校において実践的に検証し、各学校への普及・啓発を図る。

4「自転車マナー向上推進員」(仮称)による交通安全啓発活動の実施[区市町村、警視庁]
地域に密着した街頭指導を実施するために、現行の「地域交通安全活動推進委員※」の制度と連携を図りながら、「自転車マナー向上推進員(仮称)」を設置し、地域単位での交通安全の啓発活動を実施する。
※地域交通安全活動推進委員とは、道路交通法に基づき都道府県公安委員会から委嘱された者で、適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるための住民に対する交通安全教育や、道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進等の活動を行う。

図32「自転車マナー向上推進員」(仮称)のイメージ

5自転車運転免許制度の実施[区市町村、警視庁]
交通ルール・マナーについての教育ツールとして、実技講習も含めた自転車運転免許制度の実施を図る。

表6自転車運転免許制度(荒川区の事例)
目的・安全な自転車の乗り方や交通ルール、自転車マナーについて学び、自転車事故を防止し、社会ルールを守る地域社会を実現すること
対象・荒川区在住・在勤・在学者(小学生4年生以上)
試験内容・講義(交通ルールなど)
・筆記試験(簡単な○×)
・実技講習(正しい自転車の乗り方)
備考・免許証に強制力はない(免許証がなくても運転できる)
・平成14年7月25日開始
地域交通安全活動推進委員自転車マナー向上推進員(仮称)連携

6自転車安全マップの作成[区市町村、警視庁]
自転車を利用する際の危険箇所や推奨ルート等を掲載したマップを作成する。これにより、利用者の目線からみた危険箇所を把握するとともに、自転車への関心を高めることで、交通ルール・マナーの啓発を図る。

7ドライバー・ライダーに対する運転免許取得時・更新時の広報・教育の徹底[警視庁]
自転車利用者の安全を確保していくためには、自動車、自動二輪車などが自転車の走行に配慮する意識を高めていくことが重要である。そのため、ドライバー・ライダーに対する運転免許取得時・更新時において自転車についての広報・教育を徹底する。

【事例:江戸川区における住民協働の取り組み】
江戸川区では、平成4年に「違法駐車防止連絡協議会」を結成、23区初の「違法駐車等の防止に関する条例」を制定し、住民による違法駐車の防止活動を展開し、道路の走行環境を確保する取り組みを行っている。具体的には、住民、警察、区三者による合同のキャンペーンやパトロール、区独自のパトカーを使った交通安全指導員によるパトロールなどを実施している。この取り組みの成果もあり、条例制定前に1万2千台あった区内瞬間違法駐車台数が、平成17年には5千台にまで減少した。
放置自転車についても、区内各駅での「駅前放置自転車クリーンキャンペーン」をはじめ、商店会による啓発活動、小中学生による自転車業務体験学習など住民と協働した取り組みを行っている。
また新たに、警察とも連携し「自転車マナー向上推進員」という制度を設け、区民が腕章を着け、街頭でマナーの悪い自転車利用者を指導するという取り組みも始めた。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1広報・教育システムの確立
各主体で行われている対策を精査することにより、自転車の交通安全に関する広報・教育のシステムの確立を目指す。

表5交通安全に関する広報・教育のイメージ
対象基本的な方向性具体的な対策イメージ
利用者全般・広報、教育の徹底
○事故防止キャンペーンや交通安全教育、自転車教室等の講習の実施
○自転車免許証制度の実施
○自転車安全マップの作成
○自転車マナー向上推進員の組織化

未就学児・親による教育の支援
○親子交通安全教室の開催

小・中・高校生・地域や学校におけるルールやマナーの教育の徹底
○交通安全教育の計画的な実施
○交通安全キャンペーンへの参加
○自転車免許証制度の実施

一般・広報・教育による意識の醸成
○一般市民を対象とするプログラムによる交通安全教室の開催

高齢者・高齢者の安全に対する意識を高める
○シルバー交通安全教室の開催

自動車ドライバー・自転車走行に配慮する意識を高める
○運転免許取得時・更新時の広報・教育の徹底

1.2自転車の交通ルールを遵守させる制度の創設

(1)対策の考え方

現行の自転車の交通違反を取り締まる仕組みは、刑事手続きを受ける交通切符(赤切符)しかないため、違反への適切な取締りに向けた検討が必要である。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1ルールを守らない利用者に対する指導警告、取締りの強化[警視庁]
自転車乗用中の交通事故が多発しているため、交通違反者に対しては、警告カードを積極的に活用した街頭指導を行うとともに、酒酔い運転や信号無視などの悪質・危険な違反者に対しては取締りを強化する。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1切符制度を補てんするペナルティの仕組みの創設
違反への適切な取締りに向けて、自転車への交通反則通告制度や点数制度の導入など、赤切符制度を補てんするペナルティの仕組みの創設を提案する。
ここで、自転車に対して交通反則通告制度や点数制度を導入する場合には、自転車免許制などのような違反時の本人確認等可能なものの携帯とともに、ナンバープレート制などのような違反自転車の特定が可能となる仕組みの導入についても検討が必要である。
また、自転車は小中学生や未就学児も乗車することから、違反時のペナルティについては段階的に設定する必要がある。
例えば、小中学生や未就学児については、交通ルール・マナーを身に付けさせるという教育段階であることを踏まえ、違反点数が基準を超えた場合も反則金は徴収せずに再講習を実施し、高校生以上について自動車の交通反則通告制度を適用することなどが考えられる。

図33自転車の交通反則通告制度導入の是非
自転車の交通反則通告制度導入の是非
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート
図34交通反則通告制度

1.3「ママチャリ」の安全ルールの策定

(1)対策の考え方

保護者の運転する自転車に乗せられてけがをする子どもは少なくない。その原因としては、保護者に子どもを自転車に同乗させることは危険を伴うという認識が足りないため、幼児のための安全な用具の使用がされていないこと等が挙げられる。

また、自転車への幼児の同乗については、幼児用座席に6歳未満の者を1名乗車させることが認められているが、自転車は日常生活での主要な交通手段であることもあり、違反である幼児2人乗車も少なくない。

今後、自転車同乗時の子どもの安全を確保するためには、短期的には安全な用具の使用の啓発を行うことが必要である。中長期的には、実際の自転車利用に即した「ママチャリ」安全ルールを策定していくことが求められる。

図35幼児の2人乗車を見て、危ないと思ったことがあるか

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1幼児の安全性を高める用具の使用の啓発[東京都]
ハートフルメットTOKYOキャンペーンによる幼児用ヘルメットの着用や、安全基準に適合した幼児用座席の使用を推進するなど、幼児のために安全な用具の使用を啓発する。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1幼児2人乗車可とするための基準づくり
三輪自転車など転倒しにくい構造の自転車については幼児2人乗車を検討する。

図36「ママチャリ」の安全ルールのイメージ図37幼児2人乗車に対して求められる対策
資料:平成18年度第2回都政モニターアンケート
注)本書では、子ども・幼児を同乗した自転車のことを「ママチャリ」とした。

2.放置自転車改善の視点

2.1自転車駐車場が不足している駅周辺における取り組み

(1)対策の考え方

自転車駐車場の絶対量が不足している駅周辺においては、乗り入れ台数に対応した自転車駐車場の整備が求められる。このため、鉄道事業者との協力やまちづくり事業との連携などを図りつつ、関係者が一体となって自転車駐車場の整備を行っていく必要がある。

また、特に駅周辺における自転車駐車場整備については、用地費を含め多大なコストを要することを自転車利用者に理解してもらいながら、既存の自転車駐車場の有効利用や駅近傍居住者の自転車利用の自粛、買物利用駐輪との共用など、地域の特性に応じた自転車利用ルールについても検討する必要がある。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1行政・鉄道事業者等の協力による駅周辺の自転車駐車場整備の推進[東京都、区市町村]
まちづくり事業の進展にあわせた整備を行うなど、将来展望を見据えた整備計画を立てるとともに、各種補助制度を活用しながら、乗り入れ台数に対応した自転車駐車場整備を推進する。整備に当たっては、鉄軌道用地に係る固定資産評価見直しの動向も踏まえながら、改正自転車法により協力義務が強化された鉄道事業者や道路法施行令改正により道路上に自転車駐車場を整備できることとなった道路管理者など、地域を構成する関係者が一体となって、公共用地や鉄道用地の一層の有効活用を図るなど、地域の実情に合った対応を進める。

図38道路上の自転車駐車場の事例(国土交通省名古屋国道事務所)
○自転車駐車場の整備を進めるとともに、地域の特性に応じた自転車利用方法を促すなど、ハード・ソフト一体となった放置自転車対策を推進する。
○自転車駐車場の絶対数が不足している地区、自転車利用が多い商業エリアなど、地域特性に応じた対策を実施する。

(駅周辺における放置自転車対策)
⇒2.1自転車駐車場が不足している駅周辺における取り組み
⇒2.2自転車駐車場が足りている駅周辺における取り組み

(商店街等における放置自転車対策)
⇒2.3商店街等における買物交通への取り組み

【参考:豊島区における鉄道事業者の協力の経緯】

<検討経緯>
平成15年9月「豊島区の法定外税に関する報告書(案)」がまとめられ、「放置自転車等対策推進税」として区の要する費用の一部を鉄道事業者に求めることが妥当とし、なお、反対する委員の意見書も合わせて区長に提出する。
平成15年12月平成15年豊島区区議会第四回定例会において条例案を可決する。
平成16年総務大臣へ同意を求める協議書を提出する。
平成16年5月26日総務大臣は「放置自転車等対策推進税に係る意見」として同意、不同意を見合わせる。
平成16年6月30日「自転車法」に基づき、豊島区自転車等駐車対策協議会を発足。
平成16年9月13日総務大臣は「放置自転車等対策推進税」に、鉄道事業者との相互理解を図り、十分な協議・検討を行うこととする意見を付け同意する。
平成16年12月豊島区は議会に対し、「放置自転車等対策推進税」の実施について下記の説明を行う。
1実施時期
課税時期を当初予定していた平成17年度を一年遅らせ18年度からとする。
2鉄道事業者への働きかけ
「自転車対策協議会」を通じて、具体的な協力について協議を尽くす。
平成17年3月「放置自転車等対策推進税条例施行期日を定める規則」を公布。
平成17年4月放置自転車等対策推進税条例を施行。
平成17年11月7日自転車等駐車対策協議会第二分科会で、大規模な鉄道事業者の協力提案がある。
平成17年12月19日自転車等駐車対策協議会全体会で、鉄道事業者の協力提案が承認される。
平成18年3月27日「豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画(案)」について、答申をうける。
平成18年6月「豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画」策定。この時点で、鉄道事業者の協力内容につき、自転車法に基づく法的な義務が担保される。
平成18年7月上記「総合計画」において鉄道事業者から多くの協力内容(自ら駐輪場を整備する、あるいは用地の無償提供等により、新規・拡充整備される見込みとなった駐輪場台数は約4,000台規模)が盛り込まれたことを踏まえ、「放置自転車等対策推進税」が廃止される。

表6「豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画」における鉄道事業者からの予定協力事項

2モビリティ・マネジメント手法の活用[東京都、区市町村]
モビリティ・マネジメント手法を活用し、自転車の利用者が自ら望ましい方向へ自発的に交通行動を変化することを促す。
例えば、利用者の各個人に対して、自転車駐車場に関する情報提供やアンケート調査(TFP法等)を行い、自転車の放置から自転車駐車場利用への自発的な転換の促進を図る。

図39モビリティ・マネジメントの考え方
【参考:モビリティ・マネジメント】
1モビリティ・マネジメントとは
「モビリティ・マネジメント」とは、個人のモビリティ(移動)が、社会にも個人にも望ましい方向へ、自発的に変化することを期待して実施する施策である。
自転車の放置問題を考えた場合、現状の自転車の放置行動から自転車駐輪場の積極的な利用や徒歩への転換を促すなど、個人とのコミュニケーションを中心に働きかける施策である。

2モビリティ・マネジメントによる行動変容のイメージ
人の行動変容のプロセスを整理すると、「態度、知覚行動制御、道徳意識から発生する行動意図を実行意図まで高める」ことで行動を変えると考えられる(下図)。
ここで、利便性向上や費用軽減などの環境的な要因は、行動変容プロセスの初期段階である態度のみに働きかけるのに対し、モビリティ・マネジメントは、それそれの段階に直接働きかける方法であることから、実際に人々の行動が変わる可能性が大きく向上する。

図40放置の取り止めに向けた行動変容のプロセス

3モビリティ・マネジメントの具体的内容
モビリティ・マネジメントの具体的内容の例として、下表のような複数回のアンケート調査を行う「TFP(TravelFeedbackProgram:トラべルフィーどバックプログラム)」を示す。
このように、自転車駐輪場に関する情報提供やアンケート調査を行うことで、被験者ひとりひとりに対して交通行動の変更への動機付けを行う。

表7モビリティ・マネジメント(TFP)の流れの一例

4モビリティ・マネジメントの事例
モビリティ・マネジメントは、主に「自動車利用から公共交通手段への転換」を促す施策として国内・国外で実施されている。国内では、札幌市,豊中市,金沢市,川西市・猪名川町等で100~500世帯を対象に実施されており、いずれの事例においても参加世帯の自動車利用率やCO2排出量について1割~3割程度の削減効果がみられる。

2.2自転車駐車場が足りている駅周辺における取り組み

(1)対策の考え方

自転車駐車場の供給量が足りている鉄道駅においても、「駅直近に自転車駐車場が整備されておらず駅まで歩くのが面倒」、「放置自転車の撤去回数がさほど多くない」、「自転車が安価なので撤去されてもさほど困らない」などといった理由から、放置自転車が発生している状況がある。

このような状況においては、モビリティ・マネジメント手法の活用や自転車駐車場の利便性向上、さらには放置自転車の撤去の強化や所有者の責任を問う制度の導入などの対策を実施することで既存の自転車駐車場の利用率の向上を図ることが必要である。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1撤去の強化[区市町村]
放置禁止区域の指定・見直し、撤去自転車の受け皿である自転車集積所の整備、撤去要員の確保等、撤去体制の充実を図ることにより、放置自転車の撤去回数を増加させる。

2自転車駐車場の利便性向上[区市町村]
自転車駐車場が利用率向上を図るため、マップ作成や看板設置などによる自転車駐車場位置情報の提供や駅からの距離・設備内容に応じた細かな料金設定、使いやすい設備への改良、パンク修理などの自転車関連サービスの提供など、利用者の利便性向上を図る。

3モビリティ・マネジメント手法の活用[東京都、区市町村]
モビリティ・マネジメント手法を活用し、自転車の利用者が自ら自転車駐車場を利用するように促す。
具体的には、利用者の各個人に対して、自転車駐車場に関する情報提供やアンケート調査(TFP法等)を行い、自転車の放置から自動車駐車場利用への自発的な転換の促進を図る。

図41モビリティ・マネジメントの考え方

4「自転車マナー向上推進員」(仮称)の誘導・監視による自転車駐車場利用の促進[区市町村]
「自転車マナー向上推進員」(仮称)の導入により、自転車駐車場への誘導や放置自転車の監視を行うことで、自転車駐車場利用の促進及び自転車の放置の抑制を図る。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1撤去後の保管期間の短縮による処分の迅速化
放置自転車対策としては放置自転車の撤去が基本となるが、現状で撤去回数が増えない理由のひとつとして、撤去自転車の受け皿である自転車集積所の不足があり、その主な原因としては撤去後の保管期間の長さが挙げられるため、その短縮を図る。

a)防犯登録手続きの短縮
保管期間の長さは、防犯登録手続きに時間がかかり、処分ができないことにも起因していると考えられるため、その手続きの迅速化を図る。

b)撤去後の手続きの簡略化
防犯登録にICタグやバーコード等を活用し情報処理の高度化を図ることで、放置自転車の所有者確認や撤去後の手続き等を簡略化し、放置自転車の撤去・保管にかかる期間の短縮とともにコスト削減を図る。

c)所有者照会手続きの迅速化
現状では、撤去した放置自転車の所有者を特定するために、区市町村は各所轄警察署に防犯登録データの照会を行っているが、手続きが煩雑であるため、所有者の照会に多大な時間を要している。このため、所有者照会に関するシステムの変更などにより、その手続きの迅速化を図る。

2自転車販売店に対する防犯登録の義務化
現在、防犯登録は自転車法で利用者の責務とされているが、実際には未登録の自転車も少なくない。一方、匿名で所有者が特定できないことが、自転車の路上放置や撤去後の保管期間の長期化などにつながっているという側面がみられる。
このため、防犯登録をインターネット販売も含めた自転車販売店の責務とすることにより、100%加入を図り、所有者を特定するとともに、ICタグやナンバープレートの活用などによる所有者確認の迅速化を図る仕組みについて検討する。

3放置自転車の所有者責任を問える制度の創設
放置自転車の撤去は、利用者に対する放置抑止の視点から効果は高い。しかしながら、放置自転車の撤去・保管はコストが高いだけではなく、所有者確認や返却作業にも時間を要するため、撤去回数の増加に応じた十分な保管場所を確保することは容易ではない。そこで、放置禁止区域に放置した自転車に対しては、現在、自動車において実施されている放置違反金と同様に、撤去することなく所有者責任を問える制度の創設を検討し、放置抑止効果を高めながら、撤去・保管コストの低減を図る。

4自転車のデポジット(預かり保証金)制度の創設
利用者負担の原則により、自転車を販売時に購入者から保証金を徴収し廃棄時に返金する
「デポジット(預かり保証金)制度」の創設を提案する。これにより、放置自転車を抑制するとともに、デポジットを撤去自転車の返還手数料よりも高く設定することで、撤去された自転車についても、返還率の向上が見込まれる。
また、仮に返還されず処分される場合でも、デポジットの権利を区市町村に移すことができれば、撤去・保管等におけるコスト負担を軽減できる。

図42自転車のデポジット制度の導入の是非
図43自転車のデポジット制度のイメージ

2.3商店街等における買物交通への取り組み

(1)対策の考え方

駅周辺では、これまでの放置自転車対策により鉄道利用者の自転車の放置は減少しているものの、隣接する商店街等の買物目的の自転車交通による放置自転車が問題になっているケースが見受けられる。

これに対し、各区市町村では附置義務条例の制定などにより対応しているものの、現行制度は建築物の床面積を対象に一律に規定されているため、小規模店舗への附置義務がないことや、条例制定以前からの既存施設への附置義務がないなどの課題もあり、必ずしも十分な自転車駐車場は確保されているとはいえない。

そのため、自転車利用が多い商業エリアにおいては、事業者の責任を明確にして、応分の負担を求めることなどにより、自転車駐車場の整備を行うことを検討する。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1地区単位での自転車駐車場の利用促進[東京都、区市町村]
既存の自転車駐車場の利用が少ない場合は、マップ作成や看板設置などによる駐車場位置情報の提供や自転車整理員の配置など、商店街等の地区単位で既存自転車駐車場利用の促進を図る。
このとき、自転車駐車場の利用ポイントを商店街のポイントとして使えるようにすることや、商店街を利用した場合に自転車駐車場の料金を割り引くことなど、自転車駐車場利用に対するインセンティブを付加することで、利用者の駐車場利用を促すことも検討する。

2附置義務条例以前の既存施設等に対する措置[区市町村]
区市町村は、自転車駐車場の附置義務の対象外になっている、附置義務条例制定以前に立地している既存施設や用途変更により附置義務の対象用途となった施設に対して、地域の実情に併せ現行基準に準じた自転車駐車場設置の義務付けを検討する。

3都市空間の有効活用による自転車駐車場整備[東京都、区市町村]
近隣に未利用地や利用率の低い自動車駐車場などがある場合には、これらを活用して自転車駐車場の整備を図る。また、道路法施行令が改正され道路上における自転車駐車場の整備が可能になったことも踏まえ、横断歩道橋下などの空間を活用して小規模な自転車駐車場を整備するなど、都市空間の有効活用を図る。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1事業者の責任を明確にした自転車駐車場整備の枠組みの創設
自転車利用の多い商業エリアにおける自転車駐車場の整備に際しては、自転車駐車場整備計画の策定などにより計画的に取り組むとともに、附置義務に該当しない小規模事業者に対しても責任を明確にし、応分の負担を求める地区特性に的確に対応した「地域ルール」の制定に向けた検討なども行う。

【参考:銀座ルールの概要】
(背景)現行の附置義務制度は建築物の延べ面積を対象に一律に規定されているため、地区の特性に対して的確に対応していない場合も見受けられていた。このため、東京都駐車場条例を改正し、地区特性に応じた附置義務台数等の設定を認めることした。(平成14年10月施行)
(施策概要)大型ビルの駐車場を集約、中小ビルは協力金を支払い、集約駐車場を利用する。

図44東京都駐車場条例における「地域ルール」の例

【参考:機械式自転車駐車場】
放置自転車は、円滑な交通の阻害、景観の悪化、撤去費用等の自治体への負担増など大きな社会問題となっている。しかし、駅前や商業地区は地価が高く、従来型の自転車駐車場に適した広い用地を確保するのは困難な場合が多い。
このような背景から、近年では、地上・地下を問わず土地を立体的に有効活用できる機械式の立体自転車駐車場設備の開発・普及が進んでおり、自転車を出入口からタワー内の駐車スペースへ短時間で移送して出入庫できる新たなタイプの機械式自転車駐車場は狭い土地で、効率よく駐輪させることが可能なことから、都内でも導入が図られている。

表8都内における機械式立体自転車駐車場の導入事例
図45葛西駅地下駐輪場の整備イメージ

3.安全な走行空間確保の視点

3.1自転車走行空間の確保

(1)対策の考え方

現在事業中の環状第6号線(山手通り)など、自転車走行空間を確保した道路整備もなされてきているものの、都内の道路は全般に海外主要都市と比較すると幅員が狭く、一部の道路を除き、十分な自転車走行空間が確保されているとは言い難い状況にある。理想的には、歩行者、自転車、自動車は交通形態や速度が異なるため、それぞれ物理的に分離された専用の通行空間を有することが望ましいが、都内の市街化状況を踏まえると新たに自転車専用の走行空間をネットワークとして整備するのは容易ではない。

このため、交通管理者や道路管理者の協力やまちづくり事業との連携を図りながら、十分な歩道幅員が確保されているところでは歩行者空間と自転車走行空間の分離を進めるとともに、自動車交通量、停車需要等を考慮し、道路の横断面構成の見直し等による自転車走行空間の確保に努める。また、自転車走行の安全性向上を図るため、違法駐車対策なども実施する。

なお、横断面構成の変更などは地域に与える影響が大きいことから、こうした取組みを進めるに当たっては、地域特性に応じた適切な手法を実施するとともに、社会実験などによりノウハウを蓄積しながら、一般化・基準化について検討することも必要である。

また、「10年後の東京~東京が変わる~」(平成18年12月)も踏まえ、自転車走行空間をネットワークとして計画的な整備に努めることにより、自転車利用の促進を図る。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1道路の横断面構成の見直し等による自転車専用走行空間の整備[東京都、区市町村、警視庁]
関係機関の協力により、道路の横断面構成の見直し等を行い、地域特性に応じた自転車専用走行空間の整備について検討する。

図46自転車専用走行空間の整備イメージ(東京都板橋区「不動通り」社会実験)

○自転車が安全に走行できる空間を、既存の道路空間などにおいて創出し、自転車利用を促進する
○駅周辺や身近な生活空間、業務集積地区など、地域の特性に応じた対策を実施する
⇒3.1自転車走行空間の確保
⇒3.2駅周辺での取り組み
⇒3.3身近なエリアでの取り組み
⇒3.4都心部での取り組み
⇒3.5来訪者への取り組み
資料:国土交通省資料

2自転車歩行者道の走行空間の区分[東京都、区市町村、警視庁]
自転車歩行者道の走行ルールを徹底するため、十分な幅員があるところでは、カラー舗装化するなどして、自転車の通行する部分を明示する。また、一層の安全性向上を図るために、構造的に区分することも検討する。

図47自転車歩行者道における自転車走行位置の明示(中央区昭和通り日本橋付近)

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1自転車走行ネットワークの計画的な整備
自転車の走行空間は、ネットワークとして整備することが必要である。また、限られた投資で効果的かつ効率的な整備を行うためには、都市内交通手段としての自転車利用促進の目標を立てたうえで、走行空間の確保の必要性が高い地区から重点的に整備することが必要である。
このため、地域特性を踏まえながら、道路の横断面の構成要素の見直しや河川空間、公園園路などの活用などにより、自転車の走行空間を整備し、計画的な自転車走行ネットワークの形成に努める。なお、自転車の走行空間としては、歩行者や自動車と混在しない自転車専用レーンや自転車道が望ましいが、地域の交通状況に応じて、自転車歩行者道の整備等も組み合わせ、地域として自転車走行ネットワークの形成を図る。

2歩道状空地の活用による走行空間の確保
既存の道路空間において自転車の走行空間が十分に確保できない場合は、土地区画整理事業や市街地再開発事業あるいはビルの建替えの際に、地区計画などの制度により創出された歩道状空地を活用し、道路の横断面構成を見直すなかで、自転車走行空間の確保について検討する。

図48歩道状空地を活用した走行空間の整備イメージ
※必要に応じて設ける。
資料:国土交通省資料をもとに作成

3.2駅周辺での取り組み

(1)対策の考え方

郊外を中心とした駅周辺でのアクセス交通手段としての自転車利用は、住宅地域や駅周辺の地域内道路を主として走行すると考えられる。

地域内道路は、幅員が狭く、また歩道が整備されていないことも多いことから、自転車の専用走行空間を確保することは困難である。このような道路では、歩行者、自転車、自動車が混在して同ジ空間を利用することになり、歩行者や自転車の安全性が低下することも考えられる。

そこで、駅近傍の交通が輻輳する区域については、ピーク時間における自動車の時間通行規制や人ごみの激しい場所における自転車乗車禁止など、地域の実情に合わせた交通ルールの導入などによる自転車走行ネットワークの形成に努めることが必要と考えられる。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1自動車の通行規制による自転車走行ネットワークの確保[警視庁、区市町村]
通勤交通の密度が高くなる駅近傍では、歩行者、自転車、バス、送迎交通等の交通が集中し、円滑な交通環境のためには、それぞれのアクセスルートを確保することが必要である。
こういった中で、歩行者や自転車の安全性を高めるために、地元警察と協力し、駅への主たるアクセス動線以外の道路について必要に応じ自動車のピーク時通行規制や一方通行規制などを行い、地区全体で自動車ネットワークを確保することで自転車や歩行者の安全な空間を確保する。
なお、規制の変更にあたっては、地元の意見や周辺地区への交通影響を考慮する。

図49駅近傍における自動車のピーク時通行規制のイメージ
図50一方通行規制による自転車レーンの整備(大分市社会実験)

2自転車安全マップの作成[区市町村、警視庁]
安全走行に向けては、歩行者や自動車と走行空間を分離することだけではなく、自転車利用者も走行ルールを常に意識することが重要である。
そこで、駅への進入方向別の走行ルートや走行ルールなどを記載した「駅近傍自転車安全マップ」を作成する。

図51愛・地球博自転車マップ

3「自転車マナー向上推進員」(仮称)による交通安全啓発活動の実施[区市町村、警視庁]
地域に密着した街頭指導を実施するために、現行の「地域交通安全活動推進委員」の制度と連携を図りながら、「自転車マナー向上推進員(仮称)」を設置し、地域単位での交通安全の啓発活動を実施する。

3.3身近なエリアでの取り組み

(1)対策の考え方

身近なエリアでは買物や子どもの送迎等での自転車利用があるほか、小中学生や未就学児の自転車利用もあり、事故の発生が最も懸念される地域である。

一方身近なエリアは、地域内道路が主体であることから、自転車専用の走行空間を確保することは困難なことが多い。また、通勤・通学交通とは異なり、特定の時間に交通が集中するとも限らないことから、時間帯別の通行規制等の対策を講ジることも困難が予想される。

このため、各地区の道路整備状況や交通状況を勘案し、地区に適した方策を選定し、地区内での自転車走行ネットワークを創出することが重要であると考えられる。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1自転車安全マップの作成[区市町村、警視庁]
住宅地や商店街の周辺において、自転車歩行車道、自転車走行のカラー舗装、コミュニティ道路等を組み合わせた、安全に走行できるルートを記述した「自転車走行マップ」を作成する。

2「自転車マナー向上推進員」(仮称)による交通安全啓発活動の実施[区市町村、警視庁]
地域に密着した街頭指導を実施するために、現行の「地域交通安全活動推進委員」の制度と連携を図りながら、「自転車マナー向上推進員(仮称)」を設置し、地域単位での交通安全の啓発活動を実施する。

3コミュニティ道路の整備[区市町村]
住宅地や多くの歩行者・自転車交通が集まる商店街近傍等においては、「くらしのみちゾーン」などの交通静穏化対策のひとつとしてコミュニティ道路を整備し、身近な道路からの通過交通の排除や走行速度の抑制などを図ることにより、歩行者や自転車の安全性を高める。

※交通静穏化:住環境保全や交通安全のために、道路構造上の工夫や交通規制手法を利用して、必要な自動車利用を確保しながら、過剰な自動車交通を抑制すること

図52くらしのみちゾーン

3.4都心部での取り組み

(1)対策の考え方

都心部においては、業務施設や商業施設の集積密度が高いため、業務目的の自動車交通についても、郊外部と比べて短距離の交通が多いという特徴がある。第4回東京都市圏パーソントリップ調査(平成10年10~12月)では、都心8区内に出発地または目的地を持っているトリップ長5km未満のトリップ数が、単位面積当たりで23区全体の約2倍になっている。

また、都心部の幹線道路は道路幅員が比較的広い道路が多いことから、自転車走行空間を確保できる可能性が高いことや交通機関が集積しているために、雨天時には公共交通機関を利用できるという特徴もある。

そのため、荷物の搬送を伴わない業務交通については、自転車の走行環境を改善すること及び利用者の意識を変化させることで、自動車からの転換が期待される。

東京都心部の自動車交通で最も発生集中量の多い業務交通について、その一部が自転車に転換されることは、環境負荷の低減や結果として渋滞解消にもつながると考えられることから、都心8区を先進的な取り組みとして位置づけ、その後、全都に展開することが効果的であると考えられる。

また、都心部の駅周辺でも放置自転車が問題になっているが、駅で自転車から鉄道に乗り換える周辺居住者のうち、目的地も都心部である交通については、都心部の自転車走行空間を充実することにより、鉄道駅で乗り換えずに、直接目的地まで自転車を利用する居住者も存在すると考えられる。直接目的地まで自転車を利用することができれば、既存乗換駅での放置自転車は減少すると考えられる。

一方、オフピーク時においては、折りたたみ自転車の鉄道への持ち込みを促進することで、目的地周辺での自転車利用を促すことも考えられる。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1自転車駐車場の位置情報の提供[東京都、区市町村]
荷物の搬送を伴わない業務交通において自転車が利用されない理由のひとつとして、目的地周辺での自転車駐車場の位置が認知されていないことが挙げられることから、都心部などを対象に広域的な自転車駐車場の位置情報の提供を図る。

2業務ビルにおける自転車駐車場の整備[区市町村]
業務交通の自転車利用への転換を図るためには、自社の業務ビルに自転車を駐車・保管し、目的地でも駐輪場へ入庫することが必要となる。このため、業務ビルの空地の一部や建物駐車場の一部等を活用した自転車駐車場の整備を促進する。

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1自転車走行ネットワークの計画的な整備
荷物の搬送を伴わない業務交通の自転車利用への転換や都心部の駅などにおける放置自転車の減少を図るため、将来的には「3.1自転車走行空間の確保」で提案した方策などを活用し、計画的な自転車走行ネットワークの形成に努める。
さらに、自転車駐車場や自転車走行環境の整備に応じて、自転車が通勤手段の一つとして普及するように企業に対し働きかける。

図53自転車利用による放置自転車の減少イメージ

【参考:自転車ネットワーク形成エリアの検討】
第4回東京都市圏パーソントリップ調査(平成10年度)における、業務目的(荷物の運搬を除く)の乗用車及び軽自動車の内々交通を対象に、エリア別(都心3区、都心8区、東京23区)のトリップ長をみると、短距離の自動車交通(トリップ長5km以下)の全体に占める割合は、都心3区が約4割、都心8区で約3割、東京23区で3割弱となっており、都心3区が最も高い。
都心3区は短距離の自動車交通(特に業務交通)が集中し、エリアも狭いことから、自転車ネットワークを形成するに際して効率的といえるが、トリップ数自体は少ないことから、これらが全て自転車に転換したとしても、それほど大きな効果は期待できない。
一方、東京23区全体はトリップ数は多いが、短距離の自動車交通の割合は都心3区や都心8区に比べて低く、またエリアが広いことからkm2当りのトリップ数(69.0)は都心3区(126.6)、都心8区(134.8)の約半分であり、他地区と比べて自転車ネットワークの形成が効率的とはいえない。
これらを勘案すると、最初に自転車ネットワークの形成を行うエリアとしては、都心8区が有望と思われる。

図54エリア別の短距離自動車交通の分布状況(左:トリップ数、右:全体に占める割合)
図55都心8区の位置と広さ
資料:第4回東京都市圏パーソントリップ調査(平成10年10~12月)、国土地理院面積調(平成18年4月速報値)のデータをもとに算出

3.5来訪者への取り組み

(1)対策の考え方

観光客が観光地を周遊する方法としては、公共交通を利用するか自動車交通を利用するかのいずれかの方法が一般的である。

しかしながら、自転車交通は、都心部のような観光地間の距離がそれほど離れていない地域における複数の観光地間の移動を考えた場合、大変効果的な交通手段であると考えられ、自転車走行空間の整備、観光レンタサイクルの設置、自転車走行観光マップの配布等により実現できると考えられる。また、これにより業務等における外国や地方からの来訪者が気軽に自転車を利用できることにもなる。

海外における自転車利用は、日本に比べて非常に盛んであり、海外からの観光客等の自転車利用に対する抵抗は少ないと考えられる。また、自転車を最優先とした街づくりは、実際の環境改善効果以外にも、環境に配慮した街づくりを進めていること自体を評価することが海外では評価され、オリンピックの誘致や国際観光客の増加に寄与すると考えられる。

また、来訪者への自転車対策については、自転車走行ネットワークの整備が不可欠であるため、これについても併せて推進する。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1観光地等での自転車駐車場の整備[区市町村]
各観光地等における自転車駐車場の整備や、パンク修理、シャワー設置等の自転車関連サービスの提供等により、来訪者の自転車利用促進を図る。

2レンタサイクルシステムの導入[区市町村]
来訪者を対象としたレンタサイクルシステムを導入することにより、都市観光における周遊性の向上や自転車利用促進を図る。

図56レンタサイクルのイメージ

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1自転車走行ネットワークの計画的な整備
都心部などにおける観光のための交通手段として自転車利用の促進を図るため、「3.1自転車走行空間の確保」で提案した方策などを活用し、将来的には、計画的な自転車走行ネットワークの形成に努める。

4.自転車の安全性向上の視点

4.1安全な自転車の普及

(1)対策の考え方

自転車の安全に係わる制度としては、製品の品質・機能に係わる「JISマーク制度」、「SGマーク制度」、「BAAマーク制度」、使用自転車の点検・整備に係わる「TSマーク制度」の4種類があるが、いずれも具体的内容はあまり認知されていない状況である。また、いずれの制度も任意の制度であるため、規格・基準に適合していない製品、自転車安全整備士による点検・整備していない製品でも販売、使用上の規制はない。

一方、こういった安全上の規格・基準に満たない自転車、点検・整備していない自転車を走行させ、そのことが原因で事故につながるケースもあり、安全性の高い自転車や整備制度を普及させることが急務となっている。

このため、安全マーク制度の認知度が低い要因のひとつと考えられる制度の統一について関係団体に働きかけるとともに、消費生活用製品安全法の改正により、事故情報の集積が進むことも踏まえ、更なる安全基準の充実についても働きかける。また、消費者がこれら安全上の基準に適合する製品を選択するよう、また、自転車安全整備士による点検・整備を行うよう広報・普及活動を積極的に行っていく必要がある。

(2)早期に取り組みを開始すべき対策

1製造・輸入業者に対する安全マーク貼付の要請[東京都]
製造・輸入業者に対して、自らが製造または輸入する自転車に安全マークの貼付を要請する。

2安全マークの付いた自転車の販売の要請[東京都]
安全マーク制度の安全基準に適合した自転車の普及を図るため、安全マークの付いた自転車の販売について販売店などに協力を要請する。
また、販売時における自転車利用ルール・マナーの説明の実施について協力を要請する。

3購入時における安全マーク制度の普及促進[東京都]
消費者が、自転車の購入にあたり、安全マークが付いた製品を積極的に選択するように、各種の広報手段を活用して呼ビかけることで、安全マーク制度の普及促進を図る。

図57自転車の購入先自転車の購入先

○安全マークの普及が遅れている現状を踏まえ、より安全な自転車を普及させるための対策を検討する
⇒4.1安全な自転車の普及
資料:平成16年度東京都消費生活調査員に対するアンケート調査

4点検・整備制度の普及促進による安全性向上[東京都]
消費者に自転車の点検・整備を促すため、安全な普通自転車として確認した証である「TSマーク」の普及促進を図る。
TSマークは、付帯保険の有効期間が点検の日から1年となっていることから、最低1年に1回の定期点検を促進するという意味で、車検的な役割を果たすことも期待される。
なお、平成18年度第2回都政モニターアンケートでは、賠償責任保険制度加入を義務付けるべきだと考えている人の割合は約66%である。

図58賠償責任保険制度加入の義務付けについて

【参考:賠償責任保険制度】
賠償責任保険制度とは、事故により、他人に怪我をさせたり、他人の所有物を破産するなどして、損害賠償責任を負うことになった場合に、保険金が支払われる保険制度である。
自転車は、自動車の自賠責保険のように強制的に加入しなければならない保険制度がないため、万が一加害者となってしまった場合は、多額の賠償金を自分で負担しなければならない。
自転車の賠償責任保険(任意加入)としては、自転車総合保険やTSマーク付帯保険等がある。

資料:平成18年度第2回都政モニター
アンケート調査
賠償責任保険制度加入の義務付けについて
義務付けるべきだと思う66.1%義務付けるべきだとは思わない24.2%わからない9.7%
資料:あん・あん自転車TOKYOキャンペーンパンフレット

(3)実施に向けて検討が必要な対策

1新しい技術の開発・活用
自転車車両の一層の安全性向上を図るため、消費生活用製品安全法の改正に伴い充実が図られる事故情報などを活用するとともに、夜間に自動的に点灯するライト、右左折を周囲に知らせる自転車用ウィンカー、転倒しにくい構造の自転車など、自転車の安全性を高める製品の開発について、技術開発の動向などをみながら製造業者なcに要請する。
また、近年では、ICタグやバーコードをつけることにより商品等を管理する技術が流通分野を中心に実用化され、様々な用途での応用が期待されている。このようなことから、ICタグやバーコードなどを活用し、安全マークや防犯登などに関する情報を統合することによって、自転車の安全性や防犯性を高める仕組みについて、技術開発の動向をみながら検討する。

<付属資料>

1.東京都自転車総合対策検討会委員名簿
2.東京都自転車総合対策検討会開催経緯
3.都民等による意見の概要

1.東京都自転車総合対策検討会委員名簿(平成18年12月現在)
東洋大学教授:太田勝敏(委員長)
東海大学教授:桑原勇進
東海大学講師:山川仁(委員長代理)
自転車活用推進研究会:小林成基
はとの会(鹿骨地区連合町会婦人部)会長:松川香
国土交通省関東地方整備局地域道路調整官:吉田雅文
警視庁交通部交通総務課長:扇澤昭宏
警視庁交通部交通規制課長:阿萬安文
青少年・治安対策本部参事(交通安全対策担当)内藤泰樹
環境局参事(交通需要マネじメント担当):平林宣広
建設局道路保全担当部長:米田秀男
建設局道路建設部長:林健一郎
都市整備局都市基盤部長:石井恒利
産業労働局商工部長:新田洋平
教育庁指導部長:岩佐哲男
豊島区土木部長:増田良勝
昭島市都市整備部長:小路伸治

2.東京都自転車総合対策検討会開催経緯

第1回検討会(5月22日)
○自転車の現状及び問題点の整理
・自転車の現状
・自転車の問題点
・自転車交通の優位性
・自転車対策の考え方

第1回作業部会(6月19日)
○自転車交通のあるべき姿の検討
・考え方の方向性
・対策の基本方針

第2回作業部会(7月14日)
○対策案の検討
・交通ルール
・マナーの向上
・放置自転車の改善
・安全な走行空間の確保
・自転車の安全性の向上

第2回検討会(8月4日)
○中間のまとめ(案)について

中間のまとめ(9月19日)
パブリックコメント(9月20日~10月20日)

第3回検討会(11月13日)
○中間のまとめに対する意見について

第4回検討会(12月26日)
○最終とりまとめ(案)について

3.都民等による意見の概要

『自転車の安全利用推進総合プラン』の策定に向けて、9月19日に「中間のまとめ」を公表し、9月20日から10月20日まで意見の募集を行いました。
その結果、131通のご意見が寄せられ、本プランに反映することができました。誠にありがとうございました。
ここでは、お寄せいただいた主な意見の概要を紹介させていただきます。

[主な意見と意見に対する回答]

(1)「交通ルールの遵守・マナーの向上」の視点
1広報・教育の徹底
キャンペーン等を実施して、ルール等を周知徹底することが必要
荒川区のような自転車運転免許証の方式を東京都全体で実施してほしい
交通ルール・マナーについては、学校の道徳教育という授業の一環で教育すべき
自転車利用者への教育とともに、車のドライバーに対しても、自転車が車と同じ車道を走る正当な使用者であり、車道を走る権利が尊重されることを徹底すべきルールと罰則を表記したポスターを目立つ場所、人の集まる場所に掲示すべきである
販売店は購入者に対して道路交通法の説明を実施するようにすべき
ヘルメットの装着については幼児だけでなく、広く一般の装着を呼びかけていくべき
交通ルールの遵守、マナーの向上は第一の対策項目。交通公園を増やして安全教育の充実を図るなど、自転車も車と同じに道路交通法に則って利用しなければならないということを意識付けしなければならない
・交通ルールの遵守・マナーの向上に関しては、広報・教育の観点から、事故防止キャンペーンや自転車教室の実施などについて総合プランに盛り込みました。

2自転車の交通ルールを遵守させる制度の創設

安全な自転車利用には道路交通法の遵守が不可欠であるが、現在の社会状況をみると、個人のモラルには期待できないので、ルール違反者の厳罰化や徹底した取り締まりによりルールを徹底すべきである
無灯火運転や携帯電話で話しながらの走行などのルール違反に対して、自動車と同様の罰則規定を設けてほしい
・ルールを守らない利用者に対する指導警告、取締りの強化について総合プランに盛り込むとともに、切符制度を補てんするペナルティの仕組みの創設については、今後更なる検討が必要と考えており、実施に向けて検討が必要な対策として総合プランに盛り込みました。
交通反則通告制度や点数制度を導入する場合においても、運転手を特定すればよいのであり、ナンバープレート制のような自転車を特定する仕組みは必要ない
・放置自転車対策なども含めて考えると、自転車を特定する仕組みも今後検討する必要があると考えております。

3ママチャリの安全ルールの策定

「幼児2人乗車可とするための基準づくり」には異議がある。父親が常時子育てを分担できない現実があるなかで幼児2人乗せは認めるべき。本件対策が強制力を持った場合、子どもを2人以上育てるのは非常に困難になると言わざるを得ない。
・現状では幼児2人乗車が禁止されていることから、幼児2人乗せが可能となる基準について検討する必要があることを総合プランに盛り込みました。

(2)「放置自転車の改善」の視点

1自転車駐車場が不足している駅周辺における取り組み

鉄道事業者に土地を提供してもらい、駅前に駐輪スペースを確保すべき
放置自転車が多い場所(道路や公共のスペース)を駐輪スペースとしてそのまま開放したほうが駐輪場の整備費用も節約できる。
誰もが自転車を使うことになればいくら駐輪場を増やしても追いつかない。「便利さと不便さを分かち合う」発想が大切であり、通勤のような長時間利用は差し控え、買い物などの短時間利用の複数の人に場所を譲るような「限りある資源はこのように譲り合って使うべきものである」という考え方を普及させるべき
・関係者が一体となった自転車駐車場整備の推進や地域特性に応じた自転車利用ルールの検討などについて総合プランに盛り込みました。

2自転車駐車場が足りている駅周辺における取り組み

放置自転車の大半は違法駐輪しても警告だけで持っていかれることはないと考えている確信犯であることから、撤去を強化すべきである
駅からの距離や屋根の有無などの設備内容によって駐輪場の料金を変えるなど、きめ細やかなサーびスを提供すべき
強風でも倒れにくい設備への改良や人通りの少ない駐輪場の防犯対策、立体の駐輪場での上下移動の改善など、誰もが使えるように改善すべき
自転車の路上放置や保管期間の長期化を防ぐため、防犯登録の所有者情報を自転車商協同組合と共有することなどにより、ユーザーに早急に連絡できる仕組みをつくるべき
・撤去の強化や自転車駐車場の利便性向上などについて総合プランに盛り込みました。

意見デポジット制度を都が導入すると、消費者は通信販売などで都外から自転車を購入することが予想され、都内自転車店への影響が大きいため、都民に受けら入れられるか、更なる検討をすべき
抜け道がない仕組みをつくってもらいたい
・デポジット制度については、制度の実現可能性や影響など、今後更なる検討が必要と考えており、実施に向けて検討が必要な対策として総合プランに盛り込みました。

3商店街等における買物交通への取り組み

商店に駐輪スペースを確保するよう義務付けるべき
大規模な駐輪施設も大切だが、個人商店の店先にラックを設置することなどにより、数台ずつ駐輪できるようにすべき
利用効率の低い既存の自動車駐車場を駐輪場に転換すべき
・都市空間の有効活用による自転車駐車場整備や事業者責任を明確にした自転車駐車場整備などについて、総合プランに盛り込みました。

(3)「安全な走行空間の確保」の視点

1自転車走行空間の確保

自転車専用の走行空間を整備してほしい
歩道の一部を色分け表示で自転車用に区分しても、歩行者は横に広がって歩いてしまうので利用できない。車道を自転車道にすべきである
路上駐車の存在は走行上危険であり、自転車走行空間の確保と駐車対策を一体的に考える必要がある
歩行者が安全に、支障なく歩行できるように、駅周辺など人ごみの激しい場所を自転車乗入禁止地区として設定すべき
・自転車の安全な走行空間を確保する観点から、道路の横断面構成の見直しによる専用走行空間の確保など、地域の特性に応じた対策について総合プランに盛り込みました。
意見車道と自転車道の間に段差など構造物を作ると、追い抜きのときなどにバランスを崩して段差に接触して転倒する恐れがあるので作らないほうがよい
・自転車と自動車では交通形態や速度などが異なることから、また、自転車走行空間に駐車されないようにするためにも、それぞれ物理的に分離された専用の走行空間を有することが望ましいと考えています。

(4)「自転車の安全性の向上」の視点

1安全な自転車の普及

業界とタイアップした無料点検キャンペーンの実施等により、自転車の点検整備の重要性を周知することが必要である
自転車購入時に販売店でルール・マナーについての冊子を配布するなど、利用者にルール・マナーを浸透させる方法を検討すべき
電子タグに安全マーク、防犯登録、賠償保険などの情報を統合し、安全基準をクリアしている自転車の保険料を安くするなど、その有効活用を図るべき
・点検・整備制度の普及促進や新技術の開発・活用などについて総合プランに盛り込みました。
意見安全マークは自転車業者が儲かるだけで効果はない。ハードに問題があるのではなく、運転マナーを良くすれば解決できることである
・運転ルールの遵守、マナーの向上は自転車の安全利用を図る上で重要なことですが、製品に起因する事故を削減するために、安全マーク制度は効果があると考えています。

(5)その他

自動車から自転車に転換していくべきことを示してほしい意見
自動車交通の代替手段やスポーツ目的としての利用の推進を組み入れるべき
・「第3章自転車対策の考え方1.基本方針」において、「自転車の利用を促進することは、環境負荷の軽減や交通渋滞の緩和など、交通面からその効果が期待されるとともに、健康増進の観点からも有効であり、改めてその身近で便利な短距離交通手段という特性を認識し、その利用を促進すべきである」と記載しています。

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